閉会日の討論

1 7月

 

6月30日6月定例議会の閉会日。私が日本共産党を代表して知事提案に対する一部反対討論を行いました。

その内容は以下の通りです。

日本共産党の安藤晴美です。議案に対する一部反対討論を行います。
議案第8号から第11号までの4件に反対し、8件に賛成します。4件に対する反対理由を述べます。
議案第8号「義務教育諸学校等の教育職員の給与等の特例に関する条例の一部を改正する条例案」につきましては、昨年12月4日に国会において成立しました「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与に関する特別措置法の一部を改正する法律案」に基づくもので、この法案は、公立の小・中学校の教員に、8時間労働の原則を崩し、1年単位の変形労働時間制を、労使協定さえ結ぶことなく条例で導入可能とするものです。政府は指針で、県教委は規則で超過勤務を月45時間以内に制限すると言いますが、罰則のない指針や規則では歯止めになりません。現行の「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与に関する特別措置法」は、4%の教職調整額の支給と引き換えに労働基準法第三七条の割増賃金規定を適用除外して残業代を支給しないとしています。これが教員から時間外労働を規制する手段を奪い、際限のない長時間勤務の実態を引き起こしてきました。長時間労働の改善のためには、労基法三七条適用除外・残業代不支給の規定を削除する抜本改正が、業務の抜本的縮減、教員の大幅増員と共に必要です。
議案第九号「青森県立学校設置条例の一部を改正する条例案」は、平成29年7月に策定した青森県立高等学校教育改革推進計画第一期実施計画に基づき青森県立三本木農業系拓高等学校及び青森県立五所川原工科高等学校を設置するというものでありますが、今回の措置で上北地区3校と西北地区4校が統合校となり、これまで地域に根差して教育活動をしてきた7つの高校のうち校名は変わるが校舎が残る三本木農業高校と五所川原工業高校を除き5校の県立高校が、地域からなくなってしまうことになり、地域の活性化、人材の掘り起こし、文化の継承などの役割が消え失せてしまうことを意味します。各地域の自治体や各学校後援会などから寄せられた存続を求める声に真摯に向き合うことなく今回の提案に至ったことを良とするわけにはいきません。
議案第十号「公の施設の指定管理者の指定の件及び第十一号「公共施設等の整備等に関する事業契約の件」は共に、新青森県総合運動公園の新水泳場の整備並びに青森県総合運動公園運動施設区域及び新青森県総合運動公園の運営及び維持管理の事業契約と指定管理者に「PFI青い森スポーツパーク株式会社」とする提案であります。PFIは、事業計画については行政が作成し、資金やノウハウを提供する民間業者を入札などで募集するものですが、公共側のデメリットとして、PFIは運営によって民間業者が利益を出せることが前提になり、利用者へのサービスに影響が出かねません。準備や手続きが煩雑なため、行政コストが膨らむ心配もあります。PFIを生み出したイギリスでは、事業者が過剰に利益を得ているのではないかという批判の声が高まり、実施件数が年々減少していると言います。
今回提案された議案の指定管理者および、契約の相手方選定についても問題があると考えます。3社が手を上げ入札日に清水建設が辞退され結局は、一般競争入札でありながら今回提案された代表企業大林組、構成員梓設計、鹿内組、日本水泳振興会、東奥日報社、NTTファシリティーズグループ一組のみの入札から選考し、提案に至ったものです。質疑の中で会計管理者は「入札者が一人であっても有効とみなす」との答弁でありましたが、客観的に見て入札者が一人では競争性を欠き、競争入札に付した意義がないとみるのは県民目線で当然のことであります。これでは有効性が疑われます。
賛成致します議案第1号「令和2年度青森県一般会計補正予算案」及び、議案第2号「青森県手話言語条例案」についても一言触れさせていただきます。
新型コロナウイルス患者が29日に東京で新たに58人発生するなど全国への広がりが心配される事態となっています。補正予算案に盛り込まれた青森県における第2波第3波に備えた検査・医療環境等の対策や新型コロナ防止対策応援金の速やかな情報提供と申請手続き給付を進めることを切に求めます。そしてろうあ者や関係者の間で切望されてきた手話言語条例案が「青森県障害者の意思疎通手段の利用の促進に関する条例」に続いて制定の運びを迎えたことを歓迎いたします。これまで手話言語条例制定に向けご尽力されてきた関係各位の皆様のご努力に心から敬意を表します。今後、条例制定を契機に「手話は言語であるという認識をもち、ろう者が手話を使用して日常生活や社会生活を安心して営むことができるよう県、市町村、県民が一丸となって取り組んでいくことを求めます。以上をもって一部反対討論といたします。

今議会に提案された手話言語条例が全会一致で採択される様子を傍聴しようと、関係者の方々が傍聴席いっぱいになるほどおいででした。
初めてその傍聴席に手話通訳者が配置されました。無事全会一致で採択され、条例が採択されました。とても感動しました。

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