2020年度予算審議

17 3月

議会も後半に入ってきました。

13日から17日まで2020年度の予算特別委員会がひらかれ、委員として出席し2日目の16日に質問をしました。

私の質問を紹介します。(答弁抜きのお知らせです)

1 議案第1号 令和2年度青森県一般会計予算案について

(1)歳出4款1項1目 生活習慣病対策費 県民の未来と健康をマモル!タバコ対策事業の取組についてです。

※県は「第2期まち・ひと・しごと創生青森県総合戦略等の策定について」の総人口の将来展望を2080年以降約80万人から約72万人に修正しました。しかもその72万人の仮定の条件の平均寿命をみてみますと「2040年に全国平均並みとなる」としています。20年後に全国最下位である青森県平均寿命男性78.7年、女性86年を全国の平均寿命男性80.8年、女性87年にしなければ、2080年以降の人口は72万人をさらに下回ることとなります。本気で取り組まなければ成し遂げられません。青森県の死因のトップであるがんを克服する事。そのがんの要因である喫煙率が男女とも全国2番目に高いという状況を下げ、受動喫煙を防止することを最重要課題として取り組む必要があります。人口減少をいかに食い止めるかの問題にかかっています。
そこで伺います。

ア 本事業の内容について伺いたい。

 再)改正健康増進法が4月より全面施行されますが、本事業が行うとしている「法に基づく対策の遵守を事業所に求める」ことなどはすでになされていなければならないことと思うが、県民・事業所などについてどんな取り組みがなされてきたのか伺います。

 再)少なくとも改正健康増進法に則った受動喫煙防止策が施行されているか、きちんとつかむ必要があると思いますが、調査をする考えはありますか。

●指導の徹底を求めます。

 ※4月から施行することとなる改正健康増進法は、「既存の飲食店のうち経営規模が小さい事業者が運営するものについては、事業継続に配慮し、必要な措置を講ずる」とするなど、完全な受動喫煙対策とは程遠いものとなりました。そのような中、東京都や大阪府は、改正法より厳しい内容の罰則付きの条例を制定しています。青森県では、「本県のがんによる死亡率の減少を図るためには、種々のがんのリスク因子となる受動喫煙等を講じていく必要があることから、その効果的な施策等をまとめるため青森県受動喫煙等対策検討会」を設置しました。

その検討会が、県内の飲食店や施設での受動喫煙防止対策を強化する独自条例を制定するよう提言されました。大変重要な提言です。そこで伺います。

 イ がんの死亡率の減少を図るためには受動喫煙を防止することが有効と考えるが、青森県受動喫煙等対策検討会で提言のあった受動喫煙防止条例の制定についてどのように取り組んでいくのか伺いたい。

 再)検討会の議事録も読ませていただきましたが、2回目の検討会に、医師会からの委員から「罰則規定を入れない条例でいいんだろうか」というような意見も出ていましたが、青森県料理飲食業生活衛生同業組合の委員から、「改正健康増進法全面施行に向け対策を講じているので条例制定は反対」という意見も出たことから最終的には「最初は少しマイルドなかたちで条例をつくるということで、県の提案したひとつ罰則規定は盛り込まないとした条例骨子案で了解し提言のまとめとする」となったと理解していますがこれでまちがいはないですか。

 再)条例化するに当たっては、パブリックコメントで県民の皆さんの意見を聞くことになると思うのですが、それとは別に公開ヒアリングを実施したのはなぜか。そして、公開ヒアリングの結果はどうだったのか。その結果をふまえ検討会の提言が変わることもあるのかこの3点お聞きします。私としては罰則規定を設けてさらにきびしい条例案にしてほしいと思いますが。

 ●青森県は受動喫煙の影響及び本県の取り巻く状況について「喫煙は肺がんをはじめとする種々のがんのリスク因子となり、受動喫煙は肺がんや脳血管疾患等に加え、乳幼児の喘息や乳幼児突然死症候群の原因になる等、受動喫煙を受けなければ約15.000人がこれらの疾患で死亡せずにすんだと推計されている」としています。がんの死亡者数・死亡率を減らすために検討会の提言を踏まえ、拘束力を課すことのできる条例制定を強く求めます。

 )歳出6款1項17目 食の安全・安心推進費 植物防疫推進事業の取組について

 ※世界中でミツバチの大量死や大量失踪、個体数の減少が報告され始め、約20年経過し、ネオニコチノイド系農薬が直接的原因であることが科学的に証明され、ハチが巣に戻れなくなったのは、ネオニコチノイド系農薬が成虫の脳・神経系を直撃し、方向感覚や帰巣(きそう)本能を侵したからではないかとされています。自然界で花の咲く植物の殆どが、野生のミツバチなど花粉媒介者に頼って種子を作り次世代を残し、世界の作物生産量の35%はこうした花粉媒介者の受粉によるものです。万一ミツバチがいなくなれば農業は壊滅的な被害をうけることになります。こうしたことからEUほかフランス、オランダ、アメリカなど9か国でネオニコチノイド系農薬の全面使用禁止などを打ち出しています。しかし、日本では農林水省が「蜜蜂被害事例調査」のへいせい26年度の結果では、被害は水稲の開花期に多く、水稲カメムシ防除に使用した農薬を直接あびたことが原因であると認めましたが、ネオニコチノイド系農薬の残留基準緩和を一方的に推進するという状況です。農業県の青森県こそこれらの問題にきちんと向き合う必要があると考えます。そこで

ア 農作物病害虫防除指針の作成の目的と、農薬成分ネオニコチノイドを含む農薬の掲載状況について伺いたい。

 再)青森県の防除暦にはネオニコチノイド系のモスピラン・バリアード・ダントツという殺虫剤が登録されており、りんごなど果樹の害虫防除のための使用、また松枯れの原因とされるマツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリを殺すという名目で、林野庁の国有林への無人ヘリコプターによるネオニコチノイド系(エコワンフロアブルなど)の使用料が増加し、セミの声が聞こえなくなり、様々な野鳥が姿を消していると言われていますが、県有林における松くい虫駆除のための使用について、お聞きしたい。

 ※ネオニコチノイドは人には毒性が低くて安全だと言われてきたと言いますが、急増している自閉症、ADHD,学習障害などの発達障害や知能の低下など、農薬が脳の働きの発達を障害し、様々な行動異常を起こすということが近年の研究で明らかになり、農薬の中でも、殺虫剤は脳神経系を標的にしているため、脳の発達に障害を起こす可能性が高いと言われ、有機リン系やネオニコチノイド系の農薬は、微量でも、脳で情報を伝達するアセチルコリンの働きを狂わせ、発達障害になると考えられています。

 農地単位面積当たりの農薬使用量が多い韓国や日本が自閉症・広汎性発達障害の有病率が高いことや、ネオニコチノイド系の出荷量の増加に伴い発達障害が急増していることも報告されています。その他がん・糖尿病・アレルギー等の疾患のかんれんせいが疑われています。青森県では、2002年から2018年の自閉・情緒障害学級在籍数が155人から1264人と8倍にも増えています。また、アレルギーでアナフィラキシーショックの処方薬を持参する生徒は27年度から30年度の3年間だけの比較だけでも27人から49人と増えています。こうしたことを踏まえ質問します。

 イ ネオニコチノイドの使用を制限するべきと考えるが、県の見解を伺いたい。

  • 国内でも、長野県上田市では2009年から農薬の宮中散布を中止。千曲(ちくま)市では2016年度は、松枯れ防除のための空中散布を見合わせ、茨城県笠間市の上郷地域でカメムシ防除の空中散布縮小、群馬県渋川市では2014年にネオニコチノイド系、有機リン系農薬を使用しないあらたな農法による認定制度を創設。新潟県佐渡市、福井県越前(えちぜん)市、兵庫県豊岡市、千葉県野田市、栃木県小山市、埼玉県鴻巣市では、トキやコウノトリなど貴重な鳥類を守るためにネオニコチノイド系農薬使用の削減や中止、減農薬推進など、環境保全型農法への転換が各地で始まっています。

青森県でもりんご黒星病や松くい虫など防除薬が不可欠な場面もあることは承知していますが、健康長寿の観点からも子どもたちの健やかな発達保障のためにも、そして大切な役割をになう蜂や野鳥などの保護のためにも、国の動きを注視するだけではなくネオニコチノイド系農薬使用に頼らない農林業を推進することを強く求めます。    

)歳出6款1項9目 担い手対策費 未来の農業を支える人確保推進事業の取組について

※私は11月の一般質問でも取り上げさせていただきました、新規就農者を育成し農業従事者を確保する事の重要性についてです。県内の平成27年度の農業就業人口は6万4746人で、平成22年より15.737人も減少しています。そうした中新規就農者が平成24年度以降250人前後の水準で推移しています。雇用の受け皿となる農業法人等が増加しており、雇用就農の拡大が求められています。

そこで

ア 県内の若者の雇用就農を促進するため、県はどのように取り組んでいくのか伺いたい。

 ※意欲をもって青森県で働いてみたいという県外からの人たちをどうとり込むのかも重要な課題です。一般質問の際にも紹介させていただきましたが、東京で開催される新農業人フェアは、長野県などから比べると魅力に欠けるという感想が寄せられています。折角就農したいという意思を持つ若者たちが集まる場ですので、目を引くような魅力的な取り組みをする必要があると思います。そこで

イ 県外からの就農希望者の確保に向けて、県はどのように取り組んでいくのか伺いたい。

 ●地元の高校生や大学生が農業という仕事を選択したくなるような、そして農業に関心を持った県外の若者たちが就農の場として青森県を選択してもらえるような取り組みを、ぜひとも充実させ、青森県の新規就農者を増やせるよう期待しています。よろしくお願いします。

 (4)歳出10款2項1目 小学校費、歳出10款3項1目 中学校費、歳出10款4項1目 高等学校総務費及び歳出10款5項1目 特別支援学校費について 

ア 公立学校における臨時講師の給料について

※この度、地方自治体における特別職非常勤及び臨時的任用の実態が地方公務員法の規定と乖離しているとして、臨時、非常勤の任用要件を厳格化し、増大した臨時・非常勤職員の受け皿として新たに有限雇用契約である会計年度任用職員制度を新設しました。三位一体改革や集中プランなどによって国から正規職員の定数削減を迫られる中、行政需要の増大に対応した結果、地方自治体の臨時・非常勤職員が急増しました。学校では本来正規採用すべき枠を臨時講師に置き換える定数内講師も存在しています。導入される会計年度任用職員制度が入口規制のない有期任用の職となっており、合法的な人員の調整弁となる可能性を秘めています。未来をつくる子どもたちの教育を保障する業務の担い手が不安定で低賃金、生活保障さえできない処遇でいいはずがありません。

そこでお聞きします。

(ア)地方公務員法の一部改正に伴い、臨時講師の給料の取扱いをどのように改めるのか伺いたい。

 (イ)給料の取扱いを改めることによって、影響を受ける臨時講師の人数について伺いたい。

 再)県教員の募集要項をみると「任期付職員」「臨時的任用職員」「会計年度任用職員」と分けて募集していますが、これらはすべて臨時講師というくくりでいいんですか。

 (再)県内の臨時講師が、育休や欠員補充・病気休職代替え、新採用教員の初任者研修における代替えとして、正規採用の教諭と同等の職責を担っていると思うのですが、臨時講師の職務の級についての考え方について伺います。

 ●同一労働同一賃金の原則に立ち職務の級も同一にすべきということを述べておきます。

 イ 公立学校における臨時講師の配置について

(ア)全国的に臨時講師の確保が困難な状況であると聞いているが、本県の状況について伺いたい。

(イ)臨時講師を確保するため、県教育委員会ではどのような取組を行っているか伺いたい。

再)不安定な臨時講師ではなく身分保障された正規採用として積極的に教師を確保していかなければ、教育する側が疲弊してしまう。臨時講師確保だけでなく、正規採用教師の枠を広げることも必要かと思いますがこの点について見解を伺います。

 (5)歳出10款1項9目 学事振興費 私立高等学校等就学支援費補助について

 ※2020年4月から国による私立学校等に通う生徒の「就学支援金」の上限額の引き上げにより、年収590万円未満世帯の生徒を対象に月額3万3千円、年収590万円から910万円までの世帯につき9900円の補助がなされることになりました。これは、私学に通う生徒さんを始め教職員・保護者の皆さんが毎年粘り強く運動を重ねてきた成果であり歓迎する所です。青森県がこの国の措置に合わせ新たな就学支援費の制度見直しを提案されました。そこで

ア 私立高等学校等就学支援費補助について、年収910万円未満世帯まで補助対象とすべきと考えるが、年収710万円未満世帯までの世帯を対象とした理由について伺いたい。

イ 私立高等学校等就学支援費補助の対象として見込んでいる人数について伺いたい。

再)補助の対象枠が広がったとはいえ、さまざまな要因による経済の低迷によって、家計急変という事態が予想されるが、これまでこの家計急変に対応する制度が取られていたが、何件くらいこの制度を活用されていたか。そして今後もこの制度は継続するのか伺います。

 ※この度年収270万世帯までに限られますが、5万円の入学金補助を県として打ち出したことは歓迎します。そこで

ウ 新たに設けられた入学金に対する補助の東北地方及び北海道における実施状況について伺いたい。

 再)今回の国の制度変更に伴い、これまで県が補助してきた分の予算額と、来年度からの補助に対する予算額を比較するとどんな状況なのかお聞きします。

 ●昨年までの県による補助額と新年度からの補助額を比較すると、生徒数に開きがあり単純に比較ができないとはいえ、ぜひともこの差額分も活用し、今後とも私学に対する支援として対象世帯の拡大による授業料補助の拡充、対象世帯の拡大による入学金補助の拡充、及び経常費助成の維持・拡充、耐震化工事やや耐震のための校舎建て替えへの補助の維持・拡充に力を注いでいただくよう求めます。

 (6)歳出7款3項1目 開発推進費 原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業費補助について 

※3月11日忘れてはならない東京電力福島第一原発で過酷事故が起きてから9年目を迎えました。ドイツではこの事故を教訓に原発ゼロをめざし再生可能エネルギーに舵を切っています。しかし、事故を起こした当事国の日本ではエネルギー基本計画において、エネルギーのベストミックスを謳い、原子力発電所を重要なベースロード電源と位置付け、原発の再稼働に向けた動きを加速しています。

   国は、経済の活性化を図り大都市圏と地方との経済格差・所得格差を解消させる必要があります。しかし新年度予算を見ると、電源立地地域対策交付金762.2億円を投じ地方に原発に依存する体質を継続させようとしています。

これでは、根本的な地方経済の体力強化にはなりません。加えて、電源三法交付金は、原子力施設を受け入れる程に交付額が多くなる仕組みとなっており、ますます地方が電源三法交付金に依存する体質を強めています。

再生可能エネルギーの導入をさらに進め、脱原発に向けて地方でも動いていくべきですが、国は原発の増設計画まで視野に入れ邁進しています。

 昨年の11月議会で、原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業費補助が予算化され、その全額がむつ市に交付され、本県では初めて交付されたと認識しています。

令和2年度当初予算においても、2億7200万円計上されています。そこで

 ア 原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業費補助の内容について伺いたい。

 ※むつ市に対して、またしても交付されるというものですが、原子力関連施設が存在する地域に対して手厚く交付することで、地方財政の電源三法交付金への依存度をますます高めるものと言わざるを得ません。本来、地方公共団体の自主財源を確保させるように地域経済を活性化させるべきであり、また、地方においても歳出の見直しなどによる自主自立に向けて取り組まなければならない物を、そうした意識を希薄にさせてはいないかと感じます。

  そうした制度というのは、不適切でなないだろうか。そこで確認の為にお聞きします。

 イ 原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金の制度概要について伺いたい。

 ※今の答弁ではっきりするのが、国では、原子力発電所の再稼働、サイクル事業の開始に向けて、原子力発電所の危険性についての説明や最終処分地をどうするのかはっきりさせないままに、事業を進めることを優先し、交付金を使って地方を抱き込んでいこうとしているものと言わざるを得ません。そこで

 ウ 原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金が交付されることで原子力発電所の再稼働が促されていると考えるが、国内の原子力発電所の再稼働の状況と当該交付金が交付されている団体について伺いたい。

 ●この状況を捉えれば、まさしく交付金を使って再稼働などの誘導を図っていると言わざるを得ません。「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業」は、制度目的に「再稼働」を加えながら、増額を繰り返し、制度開始の14年度8億円から10倍の83.2億円になっています。交付金の原資は国民から徴収する電気料金ということを考えると、なおさら原発ゼロが実現できる政府をつくり、原発マネー依存から脱却し、「関電“原発マネー”還流問題」など引き起こさない健全なふるさとづくりが必要だと述べて質問終わります。

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